Raspberry Pi を無線機に繋ぐ

一時はハンディ機のみにリストラクチャリングしたアマチュア無線環境でしたが,IC-705を皮切りに拡充していきました.

現在は,これまであったハンディ機の

  • IC-X2
  • TH-F7

に加えて,

  • IC-705
  • IC-9700
  • IC-7300M

を入手しました.
以前に「IC-705とコンピュータ - ブログ JO1MMI」という記事を書きました.そのときにIC-705のUSBを見てみたら,

  • TIのハブ
  • Prolific Technology
  • TIのPCM2901 Audio Codec

が繋がっていました.
無線機にひとつRasPiを繋ぐというのはなかなかに便利で,味をしめて,今や後三者に1台ずつ Raspberry Pi を繋いでいます.

ということでこの記事では無線機のUSBの先に何がぶら下がっているかを見てみましょう.

IC-7300M

Bus 002 Device 001: ID 1d6b:0003 Linux Foundation 3.0 root hub
Bus 001 Device 005: ID 08bb:2901 Texas Instruments PCM2901 Audio Codec
Bus 001 Device 004: ID 10c4:ea60 Cygnal Integrated Products, Inc. CP2102/CP2109 UART Bridge Controller [CP210x family]
Bus 001 Device 003: ID 0451:2046 Texas Instruments, Inc. TUSB2046 Hub
Bus 001 Device 002: ID 2109:3431 VIA Labs, Inc. Hub
Bus 001 Device 001: ID 1d6b:0002 Linux Foundation 2.0 root hub
pi@rp4v7300:~ $ 

IC-9700

pi@rp4v9700:~ $ lsusb
Bus 002 Device 001: ID 1d6b:0003 Linux Foundation 3.0 root hub
Bus 001 Device 006: ID 08bb:2901 Texas Instruments PCM2901 Audio Codec
Bus 001 Device 005: ID 10c4:ea60 Cygnal Integrated Products, Inc. CP2102/CP2109 UART Bridge Controller [CP210x family]
Bus 001 Device 004: ID 10c4:ea60 Cygnal Integrated Products, Inc. CP2102/CP2109 UART Bridge Controller [CP210x family]
Bus 001 Device 003: ID 0451:2046 Texas Instruments, Inc. TUSB2046 Hub
Bus 001 Device 002: ID 2109:3431 VIA Labs, Inc. Hub
Bus 001 Device 001: ID 1d6b:0002 Linux Foundation 2.0 root hub
pi@rp4v9700:~ $ 


なんのひねりもなく,今日はここまで.

IC-7300M用Go-Boxの製作


はじめに

以前に IC-705用の持ち出しボックスを作った.
jo1mmi.hatenadiary.com

IC-705本体,RasPi,ATU,バッテリ,その他ケーブル類を片手で運ぶことができて,主に家庭内の持ち運び(我が家は運用の都度アンテナおよび無線機を設置するスタイルのため)に便利している.でも全部入りはちょっと重いかな.本体だけサクッと持ち出す状況も視野に,改善は続く.


そして今回は IC-7300M の Go-Box のお話である.
繰り返しになるが我が家ではHF/50MHzの運用はその都度アンテナを設置するスタイルになっている.南側ベランダ*1にVダイポールやモービルホイップやヘンテナフォークを設置し,普段は北側の辛うじて受信用に設置している磁界ループアンテナ(MLA)に繋がっている無線機を外してきて南側リビングルームに移動して運用している.
IC-705で必要十分なはずなのだが「昔はもっとDXできていたよなぁ」という誤ったノスタルジー*2によって,パワー欲しさ(といっても50Wだが)にIC-7300Mも買ってしまったのだ.当初はFT-991AMをポチりかけたのだが訳あって取りやめ,いや,今はいい.


IC-7300MのGo-Box検討

で,IC-7300Mである.
そもそも移動運用を視野に入れての50W機選択なので,楽に持ち出す方法を模索していた.IC-705用持ち出しボックスで採用したハンドルをつけた買い物かご様のものを板材で作ってこれにIC-7300Mを収めるようなことを考えていたが,「Go-Box」で検索して出てくるプラットフォームは既製品のEIAの19インチラックケースを流用したものが多いようだ.
www.google.com

ラックケースに収めてしまうと出し入れが面倒くさい.おまけに今はラックケースのまま展開できるようなスペースが部屋にない*3.ラックケースに収めたが最後,嵌め殺しになってしまいそう.
だがそれでもいいか,と思うに至った.タケ先輩の「おかもち無線機」がインプットである.

GoKit - プロジェクト59 : キット頒布、電子工作 『ユルハム派』

そもそもIC-705とIC-7300Mをひと所において場所と受信アンテナを奪い合うスペース状況である.IC-705を普段遣いにしておいて,IC-7300Mには箱に入っていてもらおう.
箱の中にはもう少し便利機能を入れたい.以下のような機能は持っておきたいと考えた.

  • バッテリを同梱したい
    • バッテリ電圧を把握したい
    • USB 5V電源を装備したい
  • Raspberry Piを装備したい
  • スピーカを装備したい
  • 後ろの配線(特に電鍵)を手前でI/Fしたい
  • いたずらに大きくしたくない


同梱するバッテリーは最近話題の LiPOFe4タイプのこれにした.

ケースは3Uで.高さ的にピッタリではある.置き場所の問題なければ4Uサイズにして配線の取り回しやジャック類の立ち上げに使うなどしたかった.そのほうがスペース的にも熱的にも余裕があって良いと思う.
https://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/c/cp_cpa03me.jpg

ラックケースの中で無線機が暴れないようにするには固定する必要がある.EIAラックでスリット有りのテーブルがあったのでこれを利用した.無線機側にはモービルブラケット.
https://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/m/ma_utr1.jpg

バッテリーは大きくズレないようにステーで固定する方針で.
ラックケースに収まるか,テーブルに収まるかどうかを入念に検討した.

IC-7300MのGo-Box組み込み


適度な長さのネジがなかったので長めのネジを切断することになったのとテーブルのスリットとモービルブラケットのミートする箇所が限定的だったのが予想外だったが,なんとか収めることができた.


加えて言うとテーブル横の返しの部分とモービルブラケットの無線機固定ネジが干渉しそうになったりして,組み上げ順序によってはデッドロックしそうになるので注意が必要である.


高さ的にはこんな感じ.



バッテリを積むとこうなる.

バッテリの端子保護部はコレ

バッテリの縛り上げに使ったベルクロはコレである.


リアにはブランクパネルを取り付けることにした.
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https://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/m/ma_bl1b.jpg
ちゃっちい薄いアルミのパネルで2500円もした.楽器店で買うよりもタカチのブランクパネルのパーツを電子部品店で取ってもらったほうが良いものが安く買えると思う.マーケットが違うと商売の仕方も変わってくるということか.


最終的にはリアにブランクパネルを取り付けて,MコネとGND端子を立ち上げて,バッテリはブランクパネルも一体で縛るようにした.バッテリを取り外すときはベルクロをほどいてブランクパネルを外すとススっと抜けるようになっている.


正面から見るとこんな感じ.IC-7300Mとバッテリの重さに耐えきれずテーブルがたわんできてしまったので前後に当て木を入れてある.
以前に作った外付けスピーカをこちらのGo-Boxに移植した.隙間の黒い箱は電鍵ジャンクションボックス.これらはレーブルに貼ったベルクロで止まっている.

写真追加

ところで写真を取り忘れてしまったが シガープラグソケットをブランクパネルに貼り,USBポートの付いたシガープラグカーチャージャーを取り付けている.モノはコレら.裏面配置だけど電圧表示をしてくれるの便利.RasPiの電源になっている.

IC-7300MにつなぎっぱにしてリグコントロールからFT8の変復調などをこなしているRaspberry Piであるが,常設の場所を用意できなかった.やはり3Uは狭かったか.
でもこんな感じで居場所を作って,常にラックケースの中にある.時々出してアップデートしたり,ログを抜いたりしてやらんといかんけど.


使用感

作りっぱなしではイケナイと考え,使用感の節を追加しました.

箱ごとリビングルームに持ち込んでRasPiを接続.物干し台に基台を設置してモービルホイップとカウンターポイズを垂らして,アンテナチューンして準備完了です.FT-891のようなコンパクト50W機にしなかったのはオートチューナ内蔵を優先したから.アンテナのパラメータはきっちりと調整で追い込みたいのはやまやまなのですが,我が家のように都度設置,カウンターポイズの状況も毎回異なる,運用できる時間も限られるという条件にあってはアンテナチューナは大変ありがたい存在です.

それもあってワンボックスになっているのは本当に便利.電源を北側の部屋から外して持ってくるのも面倒で,家の中でもバッテリ運用しています*4

ただ,まあ,重い.IC-7300M と バッテリ と ラックケース本体 と あとスチールのトレイ なので重量あります.取っ手があるのは良いですが,家の中でもえっちらおっちら運んでいます.自家用車も持っていないし,外に持ち出すときはキャリーが必要ですね.もっとも行き先は近所のPOTA登録公園ぐらいなのですが.

買ったもの

IC-7300M用Go-Boxを組むに当たり買い求めた機器・材料を記す
ラックケースはサウンドハウスがプロデュースするブランド,CLASSIC PRO のものを利用したが,全体のボコり感,蓋の嵌合・密閉度の点で価格なりだという印象だ.私は以前はSKBやGatorを多用していた事があって,それらのほうが品質が高かったという感想を持った.ただ以前に比べて今は2社ともかなり価格が上がってしまったようだし,製品も先鋭化されていっているので,SKB/Gatorであればすべて解決,という感じでも無さそう.
また製作記述中でも触れたが,メッシュのトレイは明らかにたわんだ.今回は板材を挟み込んで対応したが,本来であれば強度のあるトレイを選びたい.スチールなので穴なしへの穴あけは辛いと思うし,機器固定用に穴を開けてあるトレイと放熱目的で穴を開けてあるトレイなど種類があり,後者は強度の点で疑問もある.いくつかの製品を吟味検討したほうが良いと思う.

CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) CPA03M 3Uラックケース 送料無料 | サウンドハウス
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MB-118 | 製品情報 | アイコム株式会社
f:id:stevet:20210917083026p:plain

*1:たまに北側共用廊下に出ることもあるが共用廊下なので人目が気になる

*2:だって,昔は実家の戸建てにタワーに3ele HB9CVにFT-101ZD 100WにそもそもSSNが高かった

*3:以前は楽器類が大量にあってEIAラック主体の部屋配置だったのだが…

*4:これはこれで困る状況も出てくると思うので,外付け電源を移動して利用する場合のワークフローも考えないといけないな.

IC-705用持ち出しボックスの製作

はじめに

我が家ではアマチュア無線の交信を行うときには,機材一式をベランダ側リビングに移動させて,アンテナをベランダに展開して,といった手順が必要です.無線機,マイク,電鍵,RasPi,ATU,電源関係,ケーブル,アンテナ基台,アンテナ,ログブックなどを移動させるわけですが,機材の置いてある部屋となんども行ったり来たりする必要がありました.
無線機周辺だけでもなんとかならないものか,と,このあたりをひとまとめにする持ち出しボックスを考えました.

製作過程

仕様

IC-705のスタンドとして Newer の Z型雲台を使用しており,これをそのまま使いたいと考えました.
また,ボックス的なものに仕立てて,ATU-100USB-PDバッテリ を納めたい.実は前述のZ型雲台はあまり角度をつけると転んでしまうのが難点でした.ある程度の大きさのボックスに取り付ければ転ばなくできるだろうという考えもありました.
さらにハンドルを取り付けて片手で持ち運びできる.ハンドルは測定器でよくあるような傾斜をつけるスタンドとしても働いて欲しい,と,こういった希望を仕様としました.

製作

実はいちど,1x4材を利用して作成したのですが,1x4材が厚すぎる・重すぎるという結果となってしまいました.失敗でした.


そこでもう少し薄い合板かMDF材で作ろうと考えて,いつか東急ハンズへ行く日を夢見ていましたが,コロナ在宅勤務でぜんぜん外出の機会がありません.徒歩圏の100円ショップの材料を使ってみることにしました.
自分でノコギリを手引きした場合の垂直に自信がなかったので,100円ショップ材料を極力加工しない方針に.加工したところは接着面にしないようにしました.


カット後
ATU-100 が納められる奥行き200mmを確保しています.
それにしても100円ショップの木材,とてもスカスカな感じがします.「バルサじゃないよね?」と思うぐらい.MDFもなんか密度が低い感じ.MDFのほうはそのまま使うとして,サイドにあたる木材の木口(接着しない面)にはシアン系瞬間接着剤を染み込ませました.シアノアクリレートによる強化を期待します.
あと鋸引きの終端処理で失敗して,ささくれが出来てしまいました.接着面に当たる部分なので,ここはタミヤのポリパテで埋めることにしました.


トップイメージ
IC-705とRasPiが載ったトップ面のイメージです.
写真ではわかりませんが,トップ面には穴を開けてあって,1/4インチのオスのネジを通して Z型雲台 を固定するようになっています.調達したスレッドネジが長さ方向に自由度がなく(長いくせにねじ切っている部分が短い),現物合わせですが,この部分はトップのMDFを2枚重ねにしています.


ハンドル用加工
タカチのステップハンドルブラケットが取り付けられるように加工しています.φ5.5 x3,うち真ん中のみ貫通,上下のものは3mm程度のザグリです.スターエムの竹用ドリルφ5.5を使用しました.加工穴にはシアン系瞬間接着剤を染み込ませてあります.


グリップ加工
タカチのハンドルグリップは規定定尺なので,今回作成のケースに合うように切断加工します.今回370mmを購入していたので300mmになるようにカットしました.押出材で単純なパイプではないので若干やっかいですが,アルミなので切断の苦労はあまりなかったです.
アルミのカットが嫌な人は定尺をそのまま使う箱設計にすると良いでしょう.160/210/260/320/370/430mm が標準として用意されています.あるいは希望する長さをタカチに発注できるかも知れません.


箱組み
接着押さえ中の写真ですが,箱型に組み上げます.なおカッティングシートを貼りますが,箱組が終わってからでは作業しづらい部分への貼り込みを済ませてあります.


ステンレス板貼付
トップにエレキーパドルを磁石固定するためのステンレス板を貼り付けます.厚み0.5mmのものを貼りました.0.5x50x100mmの寸法のものがアマゾンにあって,無加工でそのまま瞬間接着剤で貼り付けました.
私は左手でパドル操作するので左に.いちおうなにかのために右側にも貼っておきました.


アルミ板貼付
ステップハンドル取り付け穴のネジ止め補強のためにアルミ板を貼り付けました.ワッシャだけでは木材に喰い込んでダメにしそうな気がしたので.0.5mmのアルミ板を使いましたが,1mmぐらいあったほうが良かったかも知れません.


完成
残りの部分にシートを貼って,完成した持ち出しボックスです.ステップハンドルを回転させることが出来ます.


IC-705搭載1
IC-705を搭載するとこんな感じ,箱部分にATU-100やモバイルバッテリを収めることができます.固定の方法は今後考えます.スペース的にゆとりがあるのですが,この部分にはマイクとか,RFの変換コネクタやエレキー接続用のケーブルやらを納められるような引き出しを仕込みたいです.


IC-705搭載2
ステップハンドルを支えにボックスにスラントを付けて,その上でZ雲台でIC-705は正面向きにすることが出来ます.
移動運用などで目線と同じ高さに設置できない場合に,このティルトは便利なのではないでしょうか.

今後

今後はATU-100やモバイルバッテリの固定方法を考えます.あと,RasPi もですね.
また,これを屋外に持ち出すことを考えて,ハンドルを活かしつつ要処を覆うカバーを作ろうと考えています.

資料

寸法等

  • W300,H103,D200(突起物除く)

板取りは,90x200 の左右の板を 300x200 の上下の板で挟む形になっています.

木工ボンドで接着,補助材を渡しています.ささくれて凹んだところにはタミヤのポリパテ.

材料

  • タカチ ステップハンドルブラケット
  • タカチ ハンドルグリップ
  • 板材 ダイソーで購入した 400x200 のMDF材,90x400 の板材
  • シアン系瞬間接着剤
  • 5mmネジ
  • 1/4インチ スレッドネジ(三脚,カメラ,フラッシュなど対応)
  • 0.5mm厚 ステンレス板 Hikari SZ554 0.5x50x100mm
  • 0.5mm厚 アルミ板 Hikari AZ551 0.5x50x100mm
  • 木目調リメイクシート

ATU-100の組み立て

アマゾンで4539円で買ったオートアンテナチューナATU-100のキットを組み立てました.
ATU-100 は N7DDC が開発したオープンハード,オープンソースのATUプロジェクトで,さまざまなところからキットが売られています.たとえばこんなの

ATU-100 は完成品も売られています.リポ電池を内蔵したものもあったりしますが,DC-DCでノイズを撒いているっぽくて「電池を外した」などの記載をいくつか見ました.自分で工夫のできるキットがおすすめです.

工夫

特に大きな工夫はありませんが,いくつか手を入れたこととか.

L

このATUの仕組としてはリレーでLCネットワークの定数を選択しながらSWRが妥当なところに落とし込む方式です.なので,なるべくLの値が設計想定値に近いほうがいいだろうと考えて,LCRメータで値を見ながら空芯コイルやトロイダルコイルを巻きました.そのため組み立てインストラクションよりも1,2ターン巻数が少ないものができました.
個人的に高周波系の電子工作は経験が少なく,L巻き作業もそんなにしたことがなかったので,勉強になりました.

ケース

ケースはタカチのものを使いました.けっこう奥行きがカツカツです.もう一回り大きいものにしたほうが無難でしょう.SMAコネクタを基板直付けしてケースパネル貫通で引っ張り出しています.
OLEDディスプレイの向きを間違えたケース加工をしてしまいました(うーむ).
https://i.gyazo.com/436bc23bda0f91446e661277401342a2.png
シリコンバンド付アルミモバイルケース(PDF)

タンデムマッチ

タンデムマッチトランスの巻線比を変えています.これは数Wの電力でチューニングを取ろうとした場合にキットオリジナルの巻線比では適切なSWR検出ゲインが得られないらしいという話があって,それに対応した改造です.以下の動画に具体的な手順が詳しいです.この改造にあたっては巻線比変更に合わせてマイコン(のフラッシュかEEPROMか)に書かれているATU-100の設定パラメータを書き換えたほうが良いです.電力表示が正しくなります.
www.youtube.com
ちなみに私は書き換え時にやらかしてしまいました.PICKit4 のツールを初めて使ったのですが,Writing専用ツールを使うところをIDEからWritingツールを使ってしまいました.空のプロジェクトをビルドしてATU-100のマイコンに書き込んでしまいました.
慌てて本家のGitHubからオブジェクトをもらってきて書き込みましたが,ディスプレイが表示されません.ATU-100プロジェクトでは複数のLCD/OLEDディスプレイに対応できるようにこのあたりの設定も書き換え可能になっています.キットに使用されていたOLEDディスプレイに合ったディスプレイ設定値を書き込んで事なきを得ました.オープンソース万歳.
GitHub - Dfinitski/N7DDC-ATU-100-mini-and-extended-boards

電源周り

IC-705で使用することを想定して電源ケーブルを作りました.
他の無線機との兼ね合いもあって XT60コネクタで電源システムの構築をしようとしていたので,これを使ってIC-705本体とATU-100に電源供給する2分岐ケーブルを作りました.
https://i.gyazo.com/9ac1591d77954aac3392c2b9db4d8e6c.png

初期検討でポータビリティの面から電池利用を考えました.ニッケル水素3本から12Vに昇圧(ストロベリー・リナックスのDC-DCを試用)してATU-100の電源にしてみたのですが,DC-DCをATU基板に近づけるとノイズが混入しました.それもけっこう強い.ケース内で上手に遮蔽できる気がしないのでDC-DC利用は諦めました.
またATU-100の消費電流を見てみました.リレーがラッチングではないのでON/OFFの個数に応じて電流量が変化します.いろいろTUNE取って試した範囲では26~100mAぐらいの消費です.この電流だとそもそも電池利用は難しかったなと思います.

持ち出しボックス


できました! こんな感じ!

IC-705用持ち出しボックスの製作 - ブログ JO1MMI

参考リンク

TUNEボタンを押すのでなく,IC-705本体からやりたいなーという場合には以下のリンクが参考になるかも知れません.自分では やっていないのでわからんですが.

IC-705用キーパッド

https://i.gyazo.com/020c54610844f07f0ee8aa2bc5628071.png

FRISKケースをIC-705の外部キーパッドケースにする.
IC-705のキー端子から引っ張ってくるが,並列に繋げばパドルも併用できるのでそのような結線にしている.

FRISKケースの内部でっぱりを削る

リュータを取り出してきて作業.小部屋部分も少し削る.これによって下記写真左下部のφ3.5ジャックが収まるようになる.
https://i.gyazo.com/86a49a300bf7bd0d4a1c4f47a628eeb2.png

秋月の基板で内部配線

https://i.gyazo.com/6f5a38871880fdb75769059facceb663.png https://i.gyazo.com/63d7e51b2747d156eedac5019e80ff7f.png
基板はジャック部分をくり抜くように加工する.ジャックがFRISKケースの内部高さに対してぎりぎりであるため.穴あけ位置も気を遣う必要がある.若干上目に穴あけしてしまった場合はジャックの足を曲げるなどして高さに収めるようにする.
φ3.5ジャックの固定のための穴あけはφ6.FRISKケースの底面厚みは1mm弱と考えられるので,底面から4mmを中心としたφ6穴を開けると良いようだ.穴あけにはスターエムの竹用ドリルを使用.滑って中心点がずれるということを起こしにくい.
電気的には 1k5 ×2,2k2,4k7 で1回路分4接点.
ケーストップの穴あけについては,基板の2.54mmを利用したスケールを作成して穴あけ後,その穴の嵌合が合うようにタクトスイッチを基板実装してからはんだ付けを行った.ひとつひとつをよく見ると基板に対してはズレたりナナメったりしているが,ケーストップの穴とはよく合っているという状態を得られる.なおケーストップのボタン穴はφ3のスターエム竹用ドリルで開けたあと,φ3.5の一般的なドリルで拡張したものである.
基板はケースに固定していないが,タクトスイッチとの関係で若干高さを稼ぐ必要があったのでウレタンクッションの両面テープを使用し,基板側には糊が有効だがケース側には剥離紙を剥がさないままにしている.

シールの加工

https://i.gyazo.com/00990eb8d09f8986551ec8df214e4476.png https://i.gyazo.com/020c54610844f07f0ee8aa2bc5628071.png
もともとのFRISKケースのトップシールをそのまま利用してもよいが,今回はいったん剥がしてしまったので,オリジナルで作成することにした.
100円ショップのダイソーで買ったA4ラベル光沢紙にインクジェットプリンタで印刷したが,軽く撫でるだけで黒が落ちてしまった.そこで印刷面を撫でても色落ちしないように保護シールを貼った.ボタン穴についてはクラフトナイフで切ってもよいがこのサイズだと穴あけが汚くなりがちだったためパンチャを利用した.φ3.5でパンチしたかったが,最終的には手持ちのハトメパンチについている穴あけパンチ(穴径 5mm)を利用し,一回り大きい穴あけを行っている.
作成したトップシールを貼り付けて完成である.

IC-705と電源

アマチュア無線への復活のきっかけのひとつがIC-705発売のニュースだったわけですが,

IC-705 | 製品情報 | アイコム株式会社

昨年7月にめでたく入手しました.家での利用,移動運用での利用などしています.今回はその電源周りをどうしているかを記します.


据え置き電源に ALINCO DM-330MV

IC-705はポータブル機なので充電バッテリーが装着されています.その充電は外部の13.8VやUSB(micro B)から行うことができます(もちろん専用の充電器もあります).たいていは家で使うので,充電→放電→充電 を繰り返してバッテリーの寿命を縮めるよりも家にいるときは外部電源を接続して使用しよう,ということで電源を購入しました.

IC-705だけなら13.8V 5Aの容量があればじゅうぶんですが,私は別の無線機の購入も視野に入れていたので大きめの容量のものにしました.購入したのは ALINCO の DM-330MV という型番の 32A容量のスイッチング電源です.

以前はアマチュア無線のとくにSSBモードなどでの利用ではシリーズ電源しか考えられなかったのですが,今回,電源の小ささに惹かれスイッチング電源にしました.この機種はスイッチングの周波数を可変できるようです.スイッチングノイズが無線機の受信周波数と重なったときにはこの機能を使って受信音を聞きやすくすることが出来る,という触れ込みです.

なおこの機種の裏面の陸軍ターミナルについて気づいたことを独立した記事にしています.

電源 ALINCO DM-330MV - ブログ JO1MMI (hatenadiary.com)

 

IC-705用シガープラグコードの製作

IC-705に使用できるシガープラグコードを製作しました.車持ってないけど.DM-330MV にシガーソケットが付いているし,あるいは何かの非常事態に発々やガスボンベ式発電機に繋ぐこともあるでしょう,車持ってないけど.

材料は以下です.

  • シガープラグ(山本無線 電材店 で購入,ヒューズなし)
  • DCプラグφ5.5X2.5mm(マル信 MP-122CF フォーク端子型DCプラグ)
  • ヒューズケース(矢崎総業 中継型ヒューズホルダー FH-35)
  • 0.75sqケーブル

IC-705に接続できるDCプラグは電子工作でよく使われる 2.1ではなく2.5です.マル信のがいい感じでした.今回使用したヒューズケースのヤザキ FH-35 はIC-705付属のケーブルに採用されているものによく似ています.いずれも一般的な部品なので,多くの電子部品店で購入することが出来ると思います.

IC-705に付属している電源ケーブルと同じようにヒューズは両切りで入れました.

参考リンク:

 

 

持ち運び用電源に USB-PD対応モバイルバッテリー

IC-705はポータブル機なので充電バッテリーが装着されています.が,バッテリー駆動では電波の電力が5Wに制限されます.8.4Vですしね.外部から13.8V 3Aを供給してやれば10Wの電波が出せます.

  • 以前は車用のバッテリーを使ったものですが,持ち運ぶにはちょっと重い
  • アマチュア無線用に 13.8Vを供給するバッテリーが売られていますが,かなり高い

スマホやパソコンを充電するためのモバイルバッテリーで,5Vだけではなく高い電圧を出すように規格化されたものがあるので,それを利用します.

USB-PD規格というのがそれで,シリアル通信でデバイススマホやPC)と電源(モバイルバッテリー)がネゴシエーションして最適な充電電圧・充電電流を設定してから充電を行うものです.なお端子形状はUSB type Cですが,USB type Cの口が付いているからといって必ずしもUSB-PDに対応しているとは限らない,また,電源側がデバイスの要求を満足できるだけの能力を必ずしも持っているとは限らない,というところが機器選びの難しさに繋がっています.ネゴだけして要求の電圧を引っ張り出すのがトリガーデバイスです.ケーブルと一体になって売られているものもあります.

トリガデバイスやトリガケーブルはネゴシエーションするだけです.5Vとか9Vとか12Vとか15Vとか20Vの出力電圧を整える仕事(昇圧だったり降圧だったり)は電源側が行っています.トリガデバイスにはDC-DC機能はありません.

 

それにしてもUSB-PDの 9/12/15/20V の電源ラインナップは魅力的です.ひとつの電源でトリガケーブルを変えるだけで電圧を切り替えられるわけです.ラジコンやロボットで利用が始まっているようです.シンセでも使っている事例を見た気がします.エフェクタの電源にも良いかも知れません.ということで9Vのトリガも購入してありますので, そのうちに試してみたいですね.

 

IC-705用USB-PDトリガ・ケーブルの製作

トリガデバイスはネゴって要求電圧を引き出しますが電流に関してはよくわかりません.安全のためにヒューズを入れることにしました.市販のトリガーケーブル,とくにアマチュア無線機用としているものでもヒューズが入っていないようです.供給能力に上限もあるしモバイルバッテリー側で安全機構が働くだろうとも思いますが,リポ電池のエネルギー密度や故障時の動作が不明なこともあり,気になってしまったので入れています.ちょっとかっこ悪くなりました.

材料は以下です.

  • USB-PDトリガデバイス(シリコンハウス共立 PDC004 12V品,15V品)
  • DCプラグφ5.5X2.5mm(マル信 MP-122CF フォーク端子型DCプラグ)
  • ヒューズケース(サトーパーツ F45 中継型 バヨネット式 125V-7A 適合)
  • 0.75sqケーブル

DCプラグは前述と同じ マル信 MP-122CF です.できるだけコンパクトにしたかったためヒューズケースには少し小さめのものを使用しました.ミゼット管ヒューズですが,IC-705付属のケーブルと同じく4Aのヒューズを両切りで入れました.

またトリガデバイスは12V品と15V品のふたつを用意しました.IC-705としての要求電圧は 13.8V±15% となっているのでいずれも動作範囲内です.実運用しての発熱や出力電力低下を考慮して選ぶのが良いでしょう.

 

出来上がった各種ケーブルが以下の写真です.左からシガープラグケーブル,12Vトリガケーブル,15Vトリガケーブル,一番右が最初に作った15Vのトリガケーブルです.

赤黒ケーブルは 0.75sq.キャプタイヤ(一番最初に作ったもの)は中身は 0.3sq なので電流容量的にはそぐわないかもしれません.しかしUSB-PDケーブルの太さがそれほど太くないことを考えると心配しても仕方ないのかもしれません.

https://i.gyazo.com/0996dc9815ef2b7521ba75728faff32c.png

 

前節で

電源側はデバイスの要求を満足できるだけの能力を必ずしも持っているとは限らない

と書きました.手元のAnkerの充電器(モバイルバッテリーではない)で試験したところ12Vのトリガには対応していませんでした(9Vが出力される).

モバイルバッテリーを購入するに当たって調べ,以下の機種では 12V,15Vいずれもトリガできました.

 

購入した RAVPowerのモバイルバッテリーはPD端子とUSB-A端子が立ち上がっています.PDからトリガデバイスを介してIC-705に,USB-A端子からRaspberry Piに電源を供給することができ,FT8移動運用に便利しています.

 

IC-705とコンピュータ

IC-705を入手して,パソコンとどう繋ぐかというのははじめのうち試行錯誤でした.
今は実際の手順をスクリーンショットも含めて詳説しているブログも多く出てきたので,本ブログで細かく書くこともないと思いますが,「これができた」という事実をインターネットの片隅に置いておきたいと思います.

IC-705とWindows

まあ,これは記事を書く人がいっぱいいるでしょう.私のアクティビティは次のとおりです.
IC-705+Windows10 で WSJT-X を動かすことができました.リグコントロールは WSJT-X にやらせているため,IC-705のCI-Vアドレスは IC-7300のものを騙らせています.
他には kgfax で気象FAXの受信をしました.IC-705の録音機能を利用して,アンテナを展開できる別の部屋で受信・録音して,Windows PCに持ち込んでの kgfax でした.
同じやり方で MMSSTV で,昨年末の ARISSイベントを,時間を狙って受信して MMSSTV でデコードしました.
他にAGWTracker/agwpe/soundmodemを用いてGPSデータを含むパケットをデコードしてみることができました.

IC-705とMac

OSはMojaveだったと思います.WSJT-Xを動かすことができました.リグコントロールは WSJT-X にやらせているため,IC-705のCI-Vアドレスは IC-7300のものを騙らせています.
MultiMode というソフトで気象FAXを受信したりしました.送信や他のモードは試していません.

IC-705とRaspberry Pi Zero(WH)

IC-705をPi Zeroに繋いで lsusb すると以下が見えました.ロットが変わると違う結果かもしれません.

  • TIのハブ
  • Prolific Technology
  • TIのPCM2901 Audio Codec

FTDIやPLのVCPドライバはLinuxカーネルにすでに取り込まれているということを聞いたことがあります.オーディオはUSB-AudioクラスでOSレベルで対応しています.したがってドライバのインストールは不要でした.
Raspberry Pi OS(32bit) に WSJT-X を入れてDEC/ENCすることができました.リグコントロールは WSJT-X にやらせているため,IC-705のCI-Vアドレスは IC-7300のものを騙らせています.
ただPi Zeroは非力でした.Windows PCが4メッセージをデコードしているときに,Pi Zeroだと1メッセージしかデコードしないといった状況がありました.

IC-705とRaspberry Pi4(8GB)

Raspberry Piの可能性を感じたのでRasPi4を買ってきました.(ソースコードを読んでから判断するべきですが)メモリが多いほうがWSJT-Xのデコード性能が高いかもしれないと考え8GB品を買ってきました.ちょっと高いけれど,メモリが多いことは良いことだし…
ドライバに関してはPi Zeroと同じ状況です.要するにドライバのインストールは不要です.
Raspberry Pi OS(32bit) に WSJT-X を入れてDEC/ENCすることができました.デコード性能は手持ちのWindowsPCと大差なく感じました.WSJT-Xは手動で入れましたが,それ以外は AmRRON scriptを使用しました.
リグコントロールを FLRig で行います.IC-705のCI-Vアドレスは IC-7300のものを騙らせています.FLRigとWSJT-Xが通信してコントロールできています.WSJT-X直接でも良かったのですが,FLdigiなどのソフトの親和性を考慮しました.なにより QSSTV は FLRig経由でないとダメでした.
FLRigが内部で呼んでいる hamlib はオープンソースなので,IC-705の設定をパッチしても良かったのですが,CMake のバージョンが合わない(しかもバージョン巻き戻しもできない版)ようなメッセージを吐いてビルドできませんでした.いや,AmRRONスクリプトを動かす時点ではmakeしているっぽいので,出来るはずなのですが,日和りました.
RasPi4 はヘッドレスで設定しています.有線LANは家庭内のLANに参加させ,WiFiではアクセスポイントを形成しています.有線ではPCからsshVNCで,無線ではiPadからVNCでRasPi4にアクセスできます.移動運用するときはiPadで操作できます.WindowsのノートPCを持っていないので助かりました.
なおIC-705の内蔵GPSのデータをRasPi4に送り込んで(IC-705側での設定が必要です),RasPi4の時刻設定をしています.RasPi用にGPSドングルとRTCモジュールを買いましたが無駄になりました.IC-705/GPS接続のないときはLANでNTPサーバに同期させています.
オーディオとCATコントロールGPSデータがUSB1本で通ってしまうIC-705,素晴らしい.
GPS同期の時刻やZulu time(UTC),グリッドロケータ,LAN状況,CPU状況,ソフトウェアの起動状況をダッシュボード表示してくれる Conky を使っています.Conky は Linux でよく使われる表示手段のようですが,KM4ACKがアマチュア用に作った設定があって,格好いいのでほんの少し手を加えて使用しています.
IC-705+RasPi4,実際の使用にあたっては「USBケーブルをRasPiに接続してIC-705の電源を入れてからRasPiの電源を入れる」など,手順を確立しておいたほうが良さそうです.使う段階でWSJT-XのオーディオI/Fを切り替えるのは面倒です.

移動運用のときはどんな感じか,電源はどうしているか,といった件は別記事に書きたいと思います.

以上,自分が取り組んだことを書きました.これらは実動の実績ありということです.ぜひみなさんの使い方,こんなことができた・できるよというのを教えていただければ幸いです.