「アマチュア無線の社会貢献活動での活用」

総務省|電波法施行規則の一部を改正する省令案等に係る意見募集
というのが出ていて,twitterでは多くの意見が表されています.自分のTLでは反対意見が多いですが,それはそういう人を多くフォローしているからかもしれません.アマチュア無線の現況を憂い,興味を持つ人が増えるだろうとして賛成の人もたくさんいると思うわけですが,自分の観測範囲ではあまり見られません.
さて私自身は反対の立場です.この改定を悪い方向にいくらでも拡張できるように読めるからです.特にアマチュア業務の定義を損ねていますし,セキュリティホールになっています.そしてこの改定は非可逆です.一度開いたらパッチで塞げない,そういう性質のものです.
この改定が通ったら10年から30年うちにアマチュア無線の様相はすっかり変わり,30年後にアマチュア無線が残っているかどうか… そういう懸念があります.
30年後にアマチュア無線を残したい.

(((このあたりたくさん呟いているので,あとで整理して,自分の40数年のアマチュア無線との関わりも踏まえて感じていることをあとで追記するかもしれません)))


パブリックコメントに書いた内容は以下.

アマチュア無線の社会貢献活動での活用について

反対である。
下記理由より改正を撤回するべきである。

1.改正案「アマチュア業務」の定義が国際電気通信連合条約無線通信規則1.56条に反する。加えて改正案「アマチュア業務」定義が電波法の記載と整合しない。
1.祭り・地域行事、消防団活動(防火パトロール、火災予防運動、遭難者捜索)等において個人情報等に留意した通信業務を行うことができない((所属団体に固有な用語の使用を含めて)暗語使用の禁止・電波法、秘匿性機能の禁止・無線設備規則)
1.ボランティア団体職制や有害鳥獣駆除のための組織指揮系統、消防団指揮系統に応じた通信業務を行うことができない(依頼による通報の禁止・無線局運用規則)
1.消防団装備に関する昭和六十三年消防庁告示第三号との不整合
1.マラソン大会・体育大会等において情報伝達を目的とするボランティア通信業務を行うことができない(電気通信事業法との整合の未考慮)
1.地域観光案内や地域清掃活動情報を伝達するボランティア通信業務を行うことができない(放送法との整合の未考慮)

以上のように総合通信基盤局電波部移動通信課作成の別添1資料の「アマチュア無線を身近な活動へ ~アマチュア無線を社会貢献活動で活用~」中の例示は、今回の電波法施行規則の一部の改正のみによって遵法運用できない。
運用しえない規則改定を行うことはムダであり、納税者として看過できない。「電波法施行規則の一部を改正する省令案等」は撤回するべきものである。