「アマチュア無線の社会貢献活動での活用」

総務省|電波法施行規則の一部を改正する省令案等に係る意見募集
というのが出ていて,twitterでは多くの意見が表されています.自分のTLでは反対意見が多いですが,それはそういう人を多くフォローしているからかもしれません.アマチュア無線の現況を憂い,興味を持つ人が増えるだろうとして賛成の人もたくさんいると思うわけですが,自分の観測範囲ではあまり見られません.
さて私自身は反対の立場です.この改定を悪い方向にいくらでも拡張できるように読めるからです.特にアマチュア業務の定義を損ねていますし,セキュリティホールになっています.そしてこの改定は非可逆です.一度開いたらパッチで塞げない,そういう性質のものです.
この改定が通ったら10年から30年うちにアマチュア無線の様相はすっかり変わり,30年後にアマチュア無線が残っているかどうか… そういう懸念があります.
30年後にアマチュア無線を残したい.

(((このあたりたくさん呟いているので,あとで整理して,自分の40数年のアマチュア無線との関わりも踏まえて感じていることをあとで追記するかもしれません)))


パブリックコメントに書いた内容は以下.

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CUIでCI-Vコントロール

はじめに

WSJT-X とか MMSSTV とか,リグコントロールの入ったアプリケーションを使い終わったあと,リグが受信している周波数を144とか430のFM Call channelにしたくなることがある.
こういった用途に対してGUIまで組む気はないけど,ちょっとしたコマンドでCI-Vの先のrigをコントロールしたいという気持ちがあり,検討した.
rigctl をinstallすれば良いのかもしれないが,標準コマンドやスクリプト言語だけでなんとかならないかなというモチベーションである.

環境

Windows10 に WSL で Linux が入っている環境を前提とする.自分の環境では Ubuntu 18.04LTS がインストールしてある.
自分の環境では制御対象は IC-9700 である.これに合わせてデバイスドライバをインストールしてあって,CATコントロール系のデバイスは COM7 として設定されている.Windows で COM7 となっているデバイスに対応する Linuxバイスは /dev/ttyS7 らしい.

手順

基本的な手順は stty でシリアルを config して,制御の内容を echo したものをデバイスにリダイレクトすることでリグコントロールのバイナリデータを送る.
echoでバイナリを扱うには,-e オプションでエスケープするか,hex の文字列を xxd を通してバイナリに変換する.

この手順に従って実験したものが以下.周波数を変更することができた.以下でIC-9700のCI-VアドレスはA2hとなっている.PCのCI-VアドレスはE0hとなっているがこれに合わせることが必須なのかはわからない(PCが複数あるときの識別用かもしれない).

$ sudo chmod o+rw /dev/ttyS7 
$ stty 19200 -F /dev/ttyS7 raw -echo
$ echo -e "\xFE\xFE\xA2\xE0\x00\x00\x00\x29\x44\x01\xFD" > /dev/ttyS7 
$ echo fefea2e0000000294401fd | xxd -r -p > /dev/ttyS7  
$ echo fefea2e0000000003304fd | xxd -r -p > /dev/ttyS7 # 433.000.000MHz

あとは必要な設定を書き連ねて実行可能なスクリプトにしてしまえば良い.その際,設定内容をハードコードするもスクリプトの引数にするもご自由で.自分は CI-V アドレスも含めてハードコードした(以下).もう少し汎用にするならば,CI-Vアドレスを変数にする,周波数とモードを引数で与える(その場合は awkあたりで処理するだろうか)といった事が考えられる.
といいつつ今回作ったのは投げつけOnlyである.なにかエラーが起こっても対処できない.エラーに対処したい人,rigからの反応に応じて制御を変えたい人はそれぞれ工夫してください.

以下のスクリプト名を例えば goto433FM とする.

#!/bin/bash

stty 19200 -F /dev/ttyS7 raw -echo
# 433.000.000MHz
echo fefea2e0000000003304fd | xxd -r -p > /dev/ttyS7
# FM, Fil1
echo fefea2e0010501fd       | xxd -r -p > /dev/ttyS7

このスクリプトWindowsのコマンド・プロンプトから呼び出すことができる.もちろんpermissionを設定しておくこと.

C:\Users\Me>wsl /home/Me/ham/goto433FM

この塊をショートカットにして適当なところに置けば完了である.

f:id:stevet:20201113095021p:plain
CI-Vコントロール

WSJT-X や MMSSTV などの周波数リストを持ってrig制御を行うようなアプリケーションを終了して置き去りになってしまった周波数・モード設定を本ショートカット一発で設定することができるようになった.

電源 ALINCO DM-330MV

IC-9700に供給することを考慮して,大きめの容量の電源を購入した.購入したのは ALINCO の DM-330MV *1という型番の 32A容量のスイッチング電源である.

 

ALINCO 直流安定化電源 スイッチング式 32A DM-330MV

ALINCO 直流安定化電源 スイッチング式 32A DM-330MV

  • 発売日: 1999/06/18
  • メディア: エレクトロニクス
 

 

やはりスイッチング電源は容量の割に小さい.この機種はスイッチングの周波数を可変できるようで,スイッチングノイズが無線機の受信周波数と重なったときにはこの機能を使って受信音を聞きやすくすることが出来る,という触れ込み.

DM-330MVの裏面には陸軍端子が立ち上がっている.使用するケーブルの太さと端子径によって圧着端子を選択する必要があるが,径はノギス実測でφ5.9だったのでφ6の圧着端子が妥当と判断した.IC-9700 付属のケーブルは 2sqぐらいで,R5.5-6 が適当だった.なお IC-705付属のケーブル(0.75sqぐらい)では R3.5-6 の圧着端子を選択した.購入を考えている方の参考になれば幸いです.

 

*1:フォントの0が"O"(オー)に見えるが DM-33OMV ではないとのこと